記憶している限り、昔はセブンスターが100円の頃もあった。いちばん古く(100年以上?)超ロングセラーのゴールデンバットは同じ頃30円くらいだったか。
今のような紙巻たばこ(シガレット)ではなく、刻みたばこをキセルに詰めて囲炉裏端で吸っていた田舎のじいちゃん・とうちゃんも懐かしい記憶だ。キセルに詰めた刻みたばこにマッチや囲炉裏の炭で火を点け、二つ三つうまそうに喫んだ(のむ=昔はたばこを「のむ」といった)後、刻みたばこの葉を詰め替える所作がまた恰好が良かった。まず次にキセルに詰める新しい刻みたばこの葉を適量、容器からつまみ出して指で丸めておく。そしてなんとまだ火が残ったキセルの中の吸いさし(灰の塊)を次の火種にする為に自分の手のひらにポンポンと叩き出し(良く火傷しないもんだ)、それをコロコロと手のひらで転がしながら器用に同じ手にある丸めておいた新しい葉をキセルに詰め、キセルを口にくわえてから手のひらにある灰の塊からキセルの新しいたばこの葉に火をつける。つまり、最初の火点け以外は、マッチを使わないのだ。大人たちのこの仕草を子どものころ、熱いまなざしで観察したものだ。・・・・私のイメージでは、煙草は重労働をする男たちの憩いのステータスシンボルであり、けっして歩きながら吸う、というようなものではなかった。
そして現在。セブンスターは一箱460円。ゴールデンバットは260円だという。貧乏な私には、とても高価な、贅沢な嗜好品として映る。1日一箱としても、相当生活に余裕がなければ毎日出費できるものではない。
一本23円の紙に巻かれた葉っぱに火を点け煙にし、吸い殻は道端にポイと捨てる。20本捨て(吸い)終われば、その箱もポイと捨てる・・・挙句健康まで害する。・・・お金に余裕があり、教育レベルもそれなりであろう方々にも苦言を呈したくなる。
愛煙家たちは、喫煙場所が減り肩身が狭いというが、「己の首を絞めているマナーの悪い人種も多い」ということを事実として認識してほしいものです。№2,579