亡き母の癖であった。カップ麺などの容器は捨てずにしまっておく。よく手料理を盛り付ける食器となっていた。ティッシュペーパーなどは高級品で、どこかで貰ってくると、袋から取り出して丁寧に畳みなおして積んであった。そもそも子どものころはティッシュやトイレットペーパーなどはなく、新聞紙。そしてもっと前は「フキの葉っぱ」で・・・。
そんな母の晩年は認知症との闘いであった。我が家で妻との介護で閉口したのがトイレの後の紙の使い方。ほんの僅か引き出しては、拭いては畳み、またそれで拭いては畳み・・・これ以上は言わないが、トイレの後は決まって風呂場まで手を引いて行き、シャワータイムであった(^^;・・・認知が失せ、息子の名前を忘れても、この「癖」だけは最後まで「本能」のように残っていた。
現在、ポケットティッシュは駅頭などでよく宣伝媒体として配られている。私は、ありがたく積極的に頂戴して使わせていただく。
ポケットティッシュなど貰ってもありがたくないのか、無視する人も多い。挙句の果ては、写真のようにゴミとなってしまう時代・・・
父は戦地に、母は学徒動員。祖先が命を懸けて守った日本は、「豊かな国」になったものである。