23時12分。新橋駅のホームで快速電車を2列の先頭で並んで待っていた。電車が入って来てドアが開いた瞬間、脇から一人の青年がスッと先に乗り込み、横座りの一つだけ空いていた席に座った。私は「腹が立って」その青年の真正面に、つり革を掴んで立った。場合によっては、喧嘩をしようと思った。じっと青年の顔をにらんでいると、顔を上げた青年と目が合った。1秒、2秒、3秒。私は次の準備を構えた。4秒後、彼は目を逸らした。・・・次の東京駅に着いた。彼は席を立った。「ありがとうございます」と精一杯、淀みなく私は言った。彼は、東京駅で降りた…”(-“”-)”