【母に捧ぐ】

「親孝行したいときには親は亡し」というが、私の場合は(情けないことに)自分の子どもも独り立ちし、両親が亡くなることによりやっとその重さと、尊敬が芽生えた、というだらしない現実だ。思い浮かぶは、認知症の母を妻とともに介護していた頃の、後悔の一首である。
『ハイマーの わが母怒鳴る 己が顔 ふと覚めた目で 見られ凍てつく』