【母の形見を捨てた息子】

【母の形見を捨てた息子】
着飾ったことなどあるわけもなく、装飾品など有りようもない。母が生前、捨てられずに洗っては保存してあった山ほどの容器類を、数年前に生家の片付けの時に処分しました。形見といえば、これが形見だったのです。
今では(それが引き起こす環境問題は別として)捨てなければ暮らしていけませんよね。戦中を生き抜き、農家の嫁として生き抜いた母でした。聞けば、妻の母も同じだったようです。父母は大正生まれでした。捨てる時はそんな父母やそんな時代に生きて私たちを生み育ててくれたことへの思いで、胸がいっぱいになったものです。
処分した山ほどの容器。しかし、もっと大切なものが、私の心に遺っています。