【小話:座席の譲り合いに見る薄情・ジコチュー】

今朝の通勤バスのお話。もう少し混んでいれば最後部の席を詰めてもらって座るのだが、今日は後部の中間あたりの二人掛けの通路側が空いていたので座らせてもらった。程なく空いていた席も一杯になった。ところがお婆ちゃんが一人、席を探す様子で後部にやってきた。前部の優先席は若い人が真っ先に陣取り、知らんふりだったのだろう。後部の座席にも若い人が沢山座っているが、見て見ぬふりだ。私の前で手すりにつかまって、なおキョロキョロしているお婆ちゃんに「座りますか?」と声をかけたが遠慮しているのか「いえいえ、大丈夫です」という。次のバス停で、斜め前の、私より少し年配風の男性が後ろを振り返り席を立って、お婆ちゃんに「どうぞ座ってください」と席を譲った。お婆ちゃんは礼を言って座ったが、今度はその男性が私の前に立つことになった。次のバス停で私は、最後部に詰めれば座れると考え、今度は先に立ってから「私は後ろに移りますから」と男性に声をかけて後ろに移動した。
「席を譲った人に席を譲った」小話でした(^^)

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