【皿を舐(な)めていた母】小さいころから、よく母のその仕草を見ていた。ものごころついたころには、「行儀が悪い」とは感じていたが、それでもそんな母を「恥ずかしい」とは思わなかった。結婚し子どもをなし、居を構えた。父が先立ち、一人になった母を呼び7年暮らした。妻や孫の前でも、その仕草は変わらなかった。その後の2年は特養のお世話になった。息子である私の名前が分からなくなっても、その仕草だけは変わらなかった。
今では私が、皿についたアンコの残りを(さすがに舐めはしないが)「モッタイナイ、モッタイナイ」と笑いながらツツイている(^^)
【ご飯粒 お茶で洗って 流し込み ウマイウマイの 母に幸あれ】
【ペロペロと 皿を舐めては ニコニコと はにかむ母の 写真が笑う】