【社会主義国、日本?】列車ホームの階段。上り下りの仕切りがあるわけではないが、列車が到着しどんなに混雑しても、必ず降りてくる(これから乗車する)人のために整然と右側を空けて上る利用者たち。
かつて、ソ連のゴルバチョフ書記長は日本を訪れた時に次のような言葉を述べたという。
「日本は世界で最も成功した社会主義国だ」
民主主義なのに・・・と思う方もいるだろうし、皮肉だ、馬鹿にされている、という方もいるだろう。だが私は、賛辞と受け取る。日本人は社会や共生を強く意識し、個を表に晒すことを良しとせず、他に遠慮して生きる。悪く言えば「他を気にしすぎる」、ということもあろうが、「他を気遣う優しさ」ともいえる。危うい面もある。全体主義(ファシズム)、軍国主義と隣り合わせの一面もあるからだ。
良くも悪くも、日本が世界に誇れる精神(品格)がある。その根底には、どこの国にもある宗教依存ではなく、「柔道」「華道」「○○道」などに通じる日本特有の「武士道」がある。弱者をいたわり、大自然の移ろいに心を寄せる。「道」の精神や「俳句」「短歌」「能」などの日本文化に、それが脈々と受け継がれている。私たちは祖先から日本人の血を文化として受け継いできたのだ。
日が昇る東の国。海に囲まれ、大自然に恵まれた世界最長の王朝(天皇家)を擁する国「日本」。
科学の発達により、国や人種・文化の境界が曖昧になりつつある中で、それを許さず、誇り高い精神を貫く日本。
「社会主義」。この国がそう評されるなら、それでいいではないか。