【残雪、そしてなごり雪】
都会に降る雪は多くは積もらないし、すぐに消える。数メートルも積もるわが故郷からすれば、数センチ降っただけで大騒ぎする都会を、来てしばらくは不思議に思ったものだ。
♪汽車を待つ君の横で僕は時計を気にしてる 季節外れの雪が降ってる・・・♪
わが故郷でなごり雪といえば、3月後半~4月、都会では桜の声が聞こえるころに降る雪だろうか。ディーゼル機関車を待つ、背後に残雪の里山を背負った無人駅で、青空ものぞく春待ち空からチラチラと白いものが短いホームに舞い落ちては淡く消える・・・。
そんな光景を遠く思い出す。ほろ苦い恋もしていた頃のことだ。