http://iinee-news.com/post-8600/
以下、ネット記事より転載
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被災地へ送ったパンの半分以上が廃棄 街のパン屋さんが考えた名案が世界へ!
戦後間もない昭和22年に「秋元パン店」として、栃木県・那須塩原市にお店をオープン。
昔から販売されている「甘納豆パン」が今も名物で、店舗だけ見ると、どこの街にもある普通のパン屋さんです.
しかし、実はこの「パン・アキモト」は、ある商品を通じて世界に貢献しているのです。
それは・・・
「パンの缶詰」です!!!
災害が起こった際の非常食として開発されたもので、乾パンのような硬いパンではなく、賞味期限は3年間ですが、その間ならいつ缶を開けても、焼きたてのようにフワフワで柔らかいパンが食べられます。
しかも味は何種類もあるので毎日食べても飽きません。
二代目社長の、秋元義彦さんは、創業者のお父さんからお店を受け継ぎ、パンメーカーとして発展させました。
しかし、この「缶詰パン」を開発したきっかけは、1995年の阪神・淡路大震災でした。
現地で食料が不足していると聞いた秋元さんは、少しでも役に立てればと、震災直後の神戸に、無償で2千食の食パンや菓子パンを送りました。
しかし、その後知らせを聞いて愕然とします。
震災が起きて、すぐにパンを送ったのですが、あちこちリレーして送り、被災者に行き渡る前に、半分ぐらいが傷んで廃棄処分になったそうです。
ショックでしたねぇ・・・。
日持ちがして、時間が経っても柔らかく風味が変わらない、おいしいパンはできないだろうか?
秋元さんは、被災者の意見も聞き、あれこれ考えた末に思い付いたのが「パンの缶詰」。
さっそく開発に取りかかりましたが、実際に作ってみると、いろいろ難しい問題にぶつかりました。
パンを焼きあげてから缶に詰めれば雑菌が入り込む可能性があり、品質が損なわれてしまいます。
何とか、焼きたて、フワフワのまま缶詰にできないだろうか・・・?
そこでひらめいたのが・・・
「そうだ、缶の中にパンの生地を入れて、加熱殺菌しながら焼いたらどうだろう!」
殺菌はうまく行きましたが、今度は、新たな問題が起こります。
パンが焼き上がったあと、缶のフタを閉める際、中である程度の湿度を保たないと、パンが「しっとり」しないのです。
しかし、水分が多すぎると、中でカビが発生して、パンがダメになってしまいます。
保存性の高さと、しっとり感・・・
相反するこの課題も、熱に強く、湿度の調節にも適した特殊な和紙を見付け、ベーキングシートの代わりに、缶の内側に敷くことで解決しました。
その他にも、様々な難題があり、途中、何度も挫折しそうになりましたが、励みになったのは、被災地・神戸からの声でした。
パンの缶詰、いつできるの?
楽しみにしてるから、あきらめないで頑張りなよ!
1996年秋、ついに、3年間風味と柔らかさが変わらない「パンの缶詰」が完成したのです。
さっそく、多くの企業や団体、学校、災害を経験した個人が非常食として購入してくれましたが、ある自治体から、賞味期限が過ぎた缶詰の処分を依頼されたとき、秋元さんの中に、どうしても割り切れない思いが残りました。
災害用の非常食は、本当は食べずに済む方がいいんです。
だけどパン職人としては、せっかく作ったパンが食べてもらえず捨てられるのは、何ともしのびない。
そんなとき、2004年にスマトラ島沖地震が起こり、津波で沿岸諸国に大きな被害が発生しました。
被災地のスリランカにいた知人から「売れ残ったパンの缶詰があったら、送ってくれないか?」と依頼を受けた秋元さんは、これをきっかけに、あるアイデアを思い付きます。
それが、
「救缶鳥(きゅうかんちょう)プロジェクト」
です。
パンの缶詰を購入した人から、賞味期限が来る1年前に前倒しで回収。
それを下取りし割引価格で新しい缶詰を買ってもらいます。
回収したパンの缶詰は、飢餓に悩む世界の国々に、NGO団体を通じて寄付。
救缶鳥プロジェクトの缶には「メッセージ欄」があり、パンを受け取る側にメッセージを入れることもできます。
購入する側は、国際貢献ができ、新しいパンの缶詰を割引で買うことができます。
寄付を受ける側はおいしいパンが食べられますし、パン・アキモトも新しく商品を買ってもらえるので、誰も損はありません。
さらに、大災害が起こったときは、被災地にすぐパンの缶詰を送るシステムも作り上げました。
東日本大震災の際は、那須塩原のパン・アキモトも工場が被災しましたが、直後にパンの缶詰を1万5千食、被災地に送り、秋元さんは今でも、毎月社員と一緒に被災地応援に行っています。
先月の熊本地震では、2度目の大きな地震が起こった朝に、ワゴン車に積めるだけのパンの缶詰を積み、翌日にはまず1800食を届け、これまで、すでに2万食を送っています。
救缶鳥プロジェクトは、 寄付やボランティアが盛んなアメリカでも好評で、今後は、海外のパン屋さんでも展開してもらえるように、支援していきたいと思っています。
出典元:www.1242.com
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被災地への支援は、思うようにいかないこともいっぱいありますよね。
このパン屋さんのように半分が廃棄されることも・・・。
でも、それにめげずに次のステップを踏み出したことが素晴らしいと思いました。
あなたはどう感じましたか?
秋元さんの救缶鳥が世界中を飛び回ることを願います。