7分間の奇跡「新幹線の清掃に見るプロの仕事」
この動画を見ていると、よくわかる。新幹線というハードウェアも世界に誇る素晴らしい技術だが、それに付帯するサービスもまた日本人らしいきめ細やかな、「おもてなし」のこころが良く表れている。この動画も、決してやらせではなく、当たり前の日常のことだ。まるで軍隊なみに訓練されたかのようなこの「仕事」に対する姿勢も、決められたタイムスケジュールで正確に運行される新幹線(日本の鉄道すべて)のすべてのサービスの一部にしか過ぎないのだ。何よりも「日本的」なのは、入線してくる列車に「一礼」に始まり、整備終了後にはスタッフ全員が「一礼」して終わるところだろう。「仕事だから」とか、「訓練されたものでポーズだけ」という声も聞こえそうだが、「仕事」とはそういうもので、その「姿勢」に対して「給与」という対価が支払われる。そしてそれはその人の「価値」に他ならないと思う。もとより「お金自体に価値はない」。使うお金も、いただくお金も、それ自体には価値はないのだ。自分の価値は、目に見えないところで沁み出ているものなのだと思う。何より大切なことは、この動画が良い例だが、一人一人の仕事に対する姿勢や暮らしぶりが「日本という国」を作っている、ということだ。よく企業経営者が「社会貢献」という言葉を使うが、そもそも「企業」とはそこに働く従業員のものであり、対価によって従業員の家族を含めた生活が成り立っているのだから、業種・業態、大小に拘わらず、企業の存在自体が「社会貢献」なのだと思う。私も含め、経営者はこのことを深く理解すべきだろう。