【自論、夫婦】日本の離婚率は35%という数字もあるようだ。そのまま当てはまるわけではないだろうが、小学校の1クラスの「片親家庭」の割合も1/3程度だというから、間違いでもなさそうだ。他人同士が結婚する夫婦関係は、人間同士のぶつかり合いの究極だと思う。二人だけのうちはまだいいが、子どもが生まれれば一緒に暮らす人間が増える訳だから、なおさら深刻である。離婚が子育て(人間の成長)にどれだけの影響があるのかは分からない。しかし、60年生きて、青少年関係のボランティアも長く続けていると、一つの理のようなものが見えてくる。それは離婚などの家庭事情に関わらず(両親が揃っていても)、「親の愛情が伝わらなければ、その犠牲になるのはいつも子ども」ということである。今の世の中の様々な犯罪を犯す人間も、子どもの頃があったに違いない・・・。子育てをする大人は、自身の「人間の幅」がその背中に現れて子どもに見透かされてしまう、ということだと思う。
かくいう私も、「離婚」を考えたことが数回ある。ぶつかり、沈黙し、自問自答し、もがき、苦しみ・・・それでも、今一度心を開いて話し合っ…てみる。そして許し合い、見つめなおし、また歩みだす。そんな雰囲気は、子どもにも伝わったことだろう。それが自然だし、それが「人間が暮らし、子孫を遺す」ということだと思う。人が何かを成すとき、(大げさなことではなく普段の小さなことでも)、まず家族を説得できなければ何もできないと思う。そして、説得できなくても、それは負けでもなんでもなく
、未来へ向けて獲得した大きな財産になる。それが「夫婦愛・家族愛」といってもいいだろう。また説得できて成したことの結果が仮に失敗だったとしても、それは夫婦・家族にとって、とてつもなく大きな目に見えない宝物になると思う。「人間の幅」や「愛情」の定義などないが、「愛情」が子どもに伝わる子育てをしたいものだ。それは、間違いなく社会の礎となる、かけがえのないものの筈だ・・・歳をとると、こんなつぶやきが出て仕方ないものだ・・・