【「楽な」「効率的な」子育て?】おばぁちゃんの「安寿と厨子王」・・・
ネット記事より。youtubeなどのネット動画に、一般人による絵本の読み聞かせが多数存在し、「メルカリ」などによる売り買い事例もあるという。そこには「多忙!」な現代の親たちの子育てを「善意で助けている風味」が漂っている・・・。
このネット記事では「著作権侵害」がテーマであった。それはその通りで、重大なことである、が、私は、もう一つ気になる。それは、「読み聞かせ」や「語り」の意味である。同じストーリーであれば、誰が読んでも同じだから、それは「他人のビデオ録画・録音」でも構わない、という考え方が現代人の根底にあるのではなかろうか。私の子どものころ「寝物語」は決まって『おばあちゃんの「安寿と厨子王」』であった。ばぁちゃんが語る悲しげな「安寿恋しやホゥヤレホ。厨子王恋しやホゥヤレホ」のフレーズは、悲しい母子の別れの切なさがなぜか幼児の私の心の奥底に刻まれてしまった。
私と妻は、自分の子どもたちに「絵本の全集」を買い与え、時間を作っては膝にのせて、また、枕もとで、よく読み聞かせした。
ストーリーも大事であるが、親や家族の肉声で、体を寄せ合って、心を込めて語り聴かせることが何よりも大事だと思う。