【機織りとあおり運転】

【機織りとあおり運転】
私の故郷では、機織りの音がよく聞こえていた。「トントン、ガラリ、トントン、ガラリ・・・」。昔から、農村では女の人の農閑期の手仕事の一つであった。一番大切な基本となるのが「経糸」(縦糸)で、そこに横糸を交差させ(織り上げ)て「布」ができあがる。
これはよく人間の人生に例えられる。人生でいえば「縦糸」が基本で「人の通るべき筋道=普遍的な理」といえよう。そして横糸は後から出来上がるもので、法・学問・理屈と見立てることができる。
ところが昨今の日本人を見ていると、なぜか縦糸の存在が薄く、横糸だけで布を織り上げようとしているように見える。
今日から施行される改正「道路交通法」。最近目に余る「あおり運転」についての規定ができたのが特徴だ。
縦糸(「人の通るべき筋道=普遍的な理=思いやりと秩序を守る精神」)がかすんでしまった、横糸だけのもろい布。横行するあおり運転がその典型ともいえる。
私たち日本人は今、もう一度「縦糸」について歴史と文化に学んで深く考えなければ、日本の未来はないと考えている。
画像は、ネットからの転載です。