【日本の道】

【日本の道】病床の暇に手に取った冊子に興味深いことが書いてあった・・・
『昔から日本の道はみな地道であった。風が吹けば砂埃が舞い、雨が降ればぬかるむような地道であった。難渋に堪えて人々が一歩一歩踏みしめて通った道であり、そこには難儀をする人を助ける人の情けがあり、路傍に咲く花を愛でる心があり、また思いがけずにひらけた峠の展望に感嘆の声をあげる喜びがあった。今、日本の道は車が走る舗装道路である。山を削り海を埋め市中を横切って一直線に高速道路が延びている。雨が降っても風が吹いても快適に車の走る道である。だか路傍の花もなく、小鳥の囀りや虫の音もさらにない。隙あらば割込んでくる車の群れ。
かって互いに道をゆずり合った日本人の謙譲さは今どこにあるのか、と云いたい現状である。』
・・・今、日本人として、「世界と同化し透過してしまわない」ために、自分に何ができるか、考えてみたい。
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